ゴスペルシンガーの矢嵜風花です。私は元々この国が大嫌いでした。でも6年前に音楽をはじめて、たくさんの人と出会って「あぁ、自分の生きて来た世界は狭かったのだ」と気付きました。そんな私が日本を一周してきたはなしです。
日本人に対してのイメージ
学生の頃、日本人に対してのイメージは悪かった。
「本音と建前」という言葉があるくらい、日本人は”思っていても本人には言わない”そんなところがあるように思う。
学生や仕事の付き合い等でも露骨に現れる事がある。「お金が発生するから」「上下関係があるから」なんてところでは「本音は隠してうまく繕う」そんな嘘だらけな日本人が好きではなかった。
「海外の人は”さん”付けなんて無いし、素直に言葉で伝える文化があっていいな。」そんなことを思っていた。
でも、悪いところばかりじゃない
しかし、そんな「日本人のイメージ」は音楽を通して大きく変わった。そして今回のツアーでも「日本は最高!」そんな事を感じて帰ってくる事ができた。
「自分の産まれた場所を恨む」
「自分のいる環境を残念に思う」
それは必然として起こってしまう事かもしれないが、少しでも”日本ていい国だ”って思いながら生きられる幸せをそれぞれが手にできたら素敵だなと思う。
たくさんの人の支え
今回のツアーは初めから”人に支えられて”スタートをした。
私がこのツアーをしたかった理由は、
*日本全国に自分の歌を持っていきたい
*独身の間に出来る事をやっておきたい
というところから始まった。そして、「自殺する人が一人でも減る事を願って」チラシと歌を届けたかった。
すると、そんな願いを叶えようをたくさんの方が支援をしてくれた。
クラウドファンディングでは28万円以上の支援金が寄せられ、泊めてくれるキリスト教会さんや人づてに紹介をして繋げてくださった場所でうたう等、たくさんの人の力で守られた。
たった一人、私という小さな人間のために、何十人という人たちが動いてくれたのだ。
人生というものは
しかしながら、生きていると辛い壁に打ち当たったり、涙を流す日々もある。
不安に駆られて進めないときや、疲れ果てて動けないときも。
ツアー中、辛かった事
このツアー中、
- いのちの危機を感じた事…1件
- 涙を流した事…多数
- 体調不良…数件
ありました。
あるときは、雪山にタイヤがはまりそうになり、電波は届かない、横は崖、野生のシカ出現の夜道を走った事もあり。
あるときは、一日中誰とも話さずに過ごした日もあり。
あるときは、震えて目が覚め、いつの間にか身体が冷えきっていて「どうやったら死なずに夜をこせるか」考えた日もあり。
大好きな猫を数ヶ月実家に預け、会いたくなって、一人で寂しくて泣いていたりもした。
そこでの力は…
でも、そこで私の力になってくれるのは、やはり「人」だったのだ。
私を励ますのも、応援してくれるのも、歌を聴いてくれるのも、支えてくれるのも、「人」だったのだ。
温泉に入ってゆっくりしたり、時々身体をいたわってマッサージをしたりもしたが、一番私の癒しとなったのは「人と関わっている時間」だった。
出会った人たち
各県で出会って人たちは、本当に優しかった。
路上でうたっていると、声をかけて来てくれる人がいる。「頑張ってください」と。
投げ銭を入れに来てくれる人もいる。
ゆっくり話が出来ると、「CD買っていくよ」「友達呼んでくるから待ってな」「家の家族はね…」なんて、赤の他人と暖かい時間が過ごせる。
ツアー中に、感じた事は「辛い事のあとには必ず慰めが用意されている」という事だ。まるで、人生そのものだなと。
でも、いい事もずっと続くわけではない。
いい事のあとには試練が来て、また立て直されて強くなっていく。神様が与える試練は、自分という人間が成長するためのスパイスなのだなと改めて感じる事が出来た。
恵みと備えの神
はじめ、収入の無い生活になる事への不安や、初めての事へのチャレンジで不安だったが、
主は備えの神である
という聖書の言葉を握り、スタートしたこの旅。
聖書の通り、食べ物や泊まる場所、うたう環境や、支えてくれる人。
神様は全て用意し、この命を守ってくれた。
日本には、たくさんの恵みが溢れている。そう感じる旅だった。
様々な出会いの中で
今回のツアーで、「あなたは愛されている」「生きてね」そんな歌やチラシを通して、自分が出来る限りのメッセージを伝える事が出来たと思う。
コンサートを開いてくださった大阪の教会や、四国でツアーを組んでくれた方。沖縄から北海道に至るまで、うたう場所を提供してくれて、イベントを組んでくださった方。
そんな方々のお陰で、たくさんの人と出会い、音楽を届ける事ができたこと。
「あたらしい出会い」が一番の最高の人生の財産になったこと、本当に心から感謝したい。
最後に
あなたにも、たくさんの助けがある事を知って欲しい。
日本中、世界中を見渡せば、あなたの味方になってくれる人はきっといるはず。
ひとりぼっちだと思わずに、今いる環境だけにとらわれずに、一歩外へ、自分の世界を広げていって欲しい。
この国にも、たくさんの優しい人がいる。あなたに「生きていて欲しい」と願っている人がいる。それを届けるために動いてくれる人がたくさんいる。
それほど、あなたは愛されているという事だ。
これからも自分のできる限りの力を持って、私に届けられるメッセージを発信していきたいと思う。日本の皆様、本当にありがとうございました!